マグリット 2015.09.01

f:id:diary2013:20200923021742p:plainスリジャヤワルダナプラコッテ、とか覚えて得意になるような年の頃、シュールレアリズムなんて聞くとやっぱりときめいた。お手軽な年頃の話だ。
ルネ・マグリットを好きになるのは誰にも簡単なことだろう。わかりやすく、面白い。トンチが利いていて、美しい。すこし底意地が悪い。放っておいてくれても好きになったろう。多分気に入ったはずだ。
でも、あの子が先に「マグリットの空の色が好き」と言った。じゃあ仕方ない。

後ろから覗き込んだ美術の資料集には、荒天をそこだけ青空に切り取って飛ぶ鳥。
「どう?」ってあの子が訊いた。

目をそらして、白旗を上げる。
「うん。すごく好き」