SFとノスタルジー。
今、サラ・ピンスカーを読んでいる。
本屋で見つけて、フィリップKディックとル・グウィンの名前を負わされていた。
一話目だけ試しにその場で読んでみて。
近未来。義手の指先で文字が読める発想を未来だと思った。脳に直結してしまえば、指が視覚になる。確かなSF。
そして、取りつけた義手は同時にどこか遠いところのハイウェイなのだという。ハイウェイの意識が義手を通じて伝わってくる。
うん。これはすごい。
正しく伝統的なSF小説。
私はSF小説に何を求めているんだろう。
ノスタルジー。喪われていくものへの未練。未来において。
いつも、未来に身を置いて感じるのは郷愁という矛盾。でも、私が読んできたSFは多くがそうで、人気作くらいしか読んでいないんだから、SFに求められているのはそれなのでは?
レイ・ブラッドベリとか、シオドア・スタージョンとか。
夏への扉が好きだった。アシモフが好きだった。スピルバーグも?
そういうハッピーなSFなら好きだけど……って言いながら読んだ陰鬱なSFの短編が苦手だった。……でも、あの頃苦手だったそれも今はThe SFだって感じる。好き。