既に2回絶望した。

最初はGAME2に負けた時。ぴったりとくっつかれたディフェンスにまったくシュートチャンスを作れず得点は止まり、反対にこちらのディフェンスはすべてかいくぐるように抜かれ、裏をつかれ、正面を割られた。まるで大学生チームvsプロチームのように、まるで格が違うように見えた。

だけど、続く第3戦では何故か勢いで圧倒し、大量得点差を奪うことで1勝を返した。

ただしそれは続けられる種類の勝利なのかわからなかった。悲観的に捉えれば、3戦目では必ず気が緩むウォリアーズの悪い癖をうまく拾っただけの勝利にも見えるし、たまたまスタメン全員の調子がとても良かっただけに思えた。勝てることの証明にはなった。だけど、勝ち続けられなければ意味がなかった。だからこそどうあっても次の1戦を取らなければならなかったのだ。

しかし、この第4戦で2度目の絶望を味わうことになる。

前半では拮抗し、希望を抱かせるものがあっただけに3Q後半からの失速にはより一層絶望を覚えた。まるでリバウンドが取れなくなり、延々と続く相手オフェンスに最後は決められた。反対にこちらは無理に行った単発シュートを外してすぐにオフェンスポゼッションが終わってしまう。何セットこれを繰り返しただろう。3Qの頭で少し稼いでいた点差を3Qの終わりにはすっかり食い潰してしまっていた。さらにこちらが調子に乗れず得点も止まってしまった間に、ディフェンスの連携を崩されて、ウォリアーズお得意のキックアウトからキャッチ&3ptシュートを連続できめられた。二桁点差をそのまま挽回できず、MUST WINゲームをあえなく落としてしまった。

次の第5戦はウォリアーズのホームだ。第4戦が終わった直後は、わざわざ相手ホームに優勝を届けるためだけに遠征しなければいけないようにさえ思えた。とても絶望的に。

ただ、これは1日置いて思い返すと少しだけ気分が変わった。少なくとも前半は拮抗していたのだし、後半で確かにスイッチディフェンスに失敗していたものの、第2戦の頃ほどにすべてが裏目に感じられるほど振り回されたわけではなかった。正面から飛び込みでゴールを割られることもなく、スイッチのずれから出じたノーマークで決められたのは確かに問題だけれど、ある程度割り切って考えれば相手チームに得点された分を自分たちでも得点さえできれば勝機がないわけではなかった。そして、4Qのオンコートは3ptの撃てる選手を投入しており、これは実際には当たってこなかったが故に失敗だったかもしれないけれど、勝利をデザインしてはいたのだ。決して絶望するほどではなかった、と。

そうは言ってもこの流れから、ウォリアーズのホームで勝てる可能性を楽観できるわけはなかった。ただ、直前、ドレイモンド・グリーンの出場停止が決まった。最初から、もしウォリアーズから誰か除けるなら誰にするかという妄想ではグリーンを挙げていた。それが実現したのだ。彼こそがウォリアーズのキーマンだと見ている向きは多い。

あとは「カイリーが2006年ファイナルのウェイドくらい神懸かれば」と、私はずっと言ってきた。ポテンシャルがあることはわかっていたけれど、それが大切な時に発揮されるかはわからなかった。第5戦でとうとうそんな時が来た! キャバリアーズは本当に久しぶりにオラクルアリーナでウォリアーズをねじ伏せたのだ。

だからと言って、次のホームが格別有利だと思えるわけではなく、カイリーの神懸かりが続くかはわからず、崖っぷちには変わりがないのだけれど。