フェイシズ

『ブラック・スワン』で(主人公の脳内で)ライバル役だった女優の主演映画、と思って見始めたら、なんだか随分年齢が違う気がする・そもそも顔が違う気がする。

うーん、変だな? と思っていたら、よく思い出してみれば『ブラック・スワン』はミラ・クニス、この『フェイシズ』はミラ・ジョヴォヴィッチなのだった。ミラが同じだけで取り違えられる自分に乾杯!

そもそも、「顔が違うような…」と自信なく考えている時点で駄目である。人の顔を覚えるのが苦手すぎる。

 

『フェイシズ』は、殺人を目撃した主人公が犯人に追われて橋から転落し、犯人から逃れられたのはいいものの、その時に頭を打った衝撃で人の顔を判別する脳機能に障害を負ってしまい、犯人が身近に迫っているらしいのに顔がわからないというサスペンスである。

あらすじはまあまあ面白そう、と思ったのだけれど、映画としてはかなり小粒で、世界が狭く、たいして面白くはなかった。

そもそも、顔を判別できない、という表現として主人公の目線で見ているはずの人物の顔がどんどん別人になったりしているようなのだけれど、主人公以上に私自身がその顔の違いを判別できておらず(おい…)、どれが誰やらわからない始末。

それでも犯人はこいつなんだろうな、という人物がおり、まんまとその人が犯人なのだけれど、他に選択肢もないほどキャストが少ないので、そのまんますぎてつまらなかった。 

たった一人だけ、顔を認識できる相手が見つかった、運命の相手かも、、、という安い恋愛設定のくだりがあり、それもいかがなものかと思ったけど、その相手は最後に犯人と相討ちになって死ぬし、とにかく見るべきところがちっともなし。やれやれ、である。

 

それにしても、顔の認識能力というのは脳の中で一体どうなっているんだろう。日常生活に支障を来すほどではないけど、私も相貌失認のケはある気がする。モンタージュを作れない自信だけはある。